箕面市の歯医者|徳岡デンタルクリニック

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TCVs(trans-cortical-vessels)発見の衝撃

TCVs(trans-cortical-vessels)経皮質骨血管とは

 Anika Grüneboom(Duisburg-Essen大学)氏等の世界的権威ある科学雑誌Nature Metabolism誌に掲載された論文「A network of trans-cortical capillaries as a mainstay for blood circulation in long bones」によると、長骨の血管性についてのマウスモデルでは、骨を透明にして血管を可視化するという画期的なイメージング技術により、骨膜から骨髄に至るまでの皮質骨全体を横断する数百の経皮質血管(TCV)を沢山確認しました。恐ろしく硬い骨皮質から骨の中の柔らかい脂肪たっぷりの骨髄まで届くTCVsによって動脈血の80%、静脈血の59%がTCVを介して骨表面から骨髄に直接供給され骨髄から骨表面に排出されることがわかりました。つまり、骨表面と骨髄とは血管で直接繋がっているのです。骨皮質を貫く多数の血管がTCVsなのです。
 

TCVsの意義の考察

マウスモデルの研究により、骨髄から数百の毛細血管が発生し、骨の軸に沿って皮質骨を直角に横断し、骨膜循環に接続していることが示されました。これらのトランスコルティカル血管(TCVs)は、人間の四肢骨でも同様に存在しています。TCVsは好中球を輸送します。骨粗鬆症や慢性関節炎のモデルでは、新しいTCVsが数週間で形成されます。これらのデータは、TCVsが長い骨の閉塞循環系の中心的な要素であり、BMから免疫細胞の輸出経路を担当している可能性を示しているそうです。
TCVを維持するために硬い骨皮質に開けられた穴が塞がらない様にするためには破骨細胞の働きが必要です。破骨細胞の数と活性の遺伝的および薬物媒介的な調節は、TCVの数の大幅な変化につながります。このモデルが証明されているのは四肢骨だけですが、歯を支えている顎骨も同様であることがわかるのは時間の問題であると思われます。

TCVsによる歯周病や歯肉炎の影響
歯周病や歯肉炎は骨に接する組織の炎症です。つまり炎症による細菌や毒素がTCVsを通ってそのまま骨髄に達して、骨髄に達した細菌や毒素がTCVsを介して外へ出て行き、それが全身の血管を巡って心臓病、腎臓病、脳梗塞や認知症などの原因となると考えられます。