妊娠中のお口の変化
妊娠中はホルモンや代謝のバランスが変化します。つわり(悪阻)で歯磨きができなくなったり、女性ホルモンを餌としている歯周病菌(Prevotella intermedia:プレボテラ・インターメディア)が増えることで妊娠性歯肉炎や妊娠性エプーリス(良性の腫瘤)を起こすことがあります。
妊娠すると免疫が低下しますので(お腹の赤ちゃんを免疫で攻撃しないようにするためです:妊娠免疫寛容)、歯周病がひどくなったり、親知らずが痛んだりします。
妊娠中の麻酔って大丈夫?
基本的に問題ありません。
痛みは多かれ少なかれお母さんのストレスとなり、血流や血圧を通じて胎児にもストレスを与えてしまいます。
当院を含めほとんどの歯科医院は歯科用キシロカインやメピバカインと呼ばれる麻酔薬を使用していますが、どちらも通常の量(1-2本)であれば胎児に影響しないとされています。
痛みを我慢するよりは安定期に適切な量の麻酔薬を用いて治療を受けるのがベストでしょう。
歯医者で出てくる薬は大丈夫?
ロキソニンなどの鎮痛薬(痛み止め)、顎関節症に用いる筋弛緩薬(筋肉をリラックスさせる薬)は注意が必要です。
我々歯医者が出す薬で圧倒的に多いのは、鎮痛薬(痛み止め)、抗菌薬(抗生物質、化膿止め)です。
鎮痛薬
歯科医院で一般的に処方されている鎮痛薬はアセトアミノフェンとNSAIDs(ロキソニンやボルタレンなど)に大別されます。
アセトアミノフェンは大きな問題なく使えますが、NSAIDsと比べると鎮痛効果に劣ります。
したがってNSAIDsを使いたいところですが、妊娠後期にNSAIDsを使用すると胎児の心不全などが起こるとされていますので使えません。
抗菌薬
抗菌薬は当院で用いている薬剤は全て妊婦さんでも安全に使えると評価されているものばかりです。安心して指示通り内服してください。
その他の薬
顎関節症の患者さんに筋肉のこわばりを緩めるミオナール(エペリゾン)という薬を処方することがあります。高容量投与ではありませんので大きな問題はないと思うのですが、説明書には妊娠中・授乳中の投与は控える必要があると記載されておりますので、当院は処方しないようにしています。