歯のメンテナンス
スウェーデンでは80歳で25本の歯が残っている事実
歯周病について
日本では80歳で平均15本歯がのこっています。スウェーデン人が失う歯3本にたいして、日本人は13本です。当院ではスウェーデン式歯のメンテナンス法を研究した結果、ヨーロッパで確立されたGBT(ガイデッド・バイオフィルム・テラピー)を行うようにしました。日本式の痛いスケーリング中心のメンテナンスでなく、エアフローを中心とした科学的プロトコルに基ずくメンテナンスを行ないます。
なぜ、これだけ差がついたかといえば、スウェーデンでは80%の人が3ヶ月に一度、歯のメンテナンスに通うからなのです。日本でも2020年4月から、国民の八割が罹患している歯周病治療として三ヶ月に一回の歯のメンテナンスが保険対象となりました。歯のメンテナンスは予防ではなく治療なのです。それをしないと六年間で1-2mm骨が減り歯茎が痩せていきます。歯周病が始まる40歳からは三ヶ月毎の定期歯科メンテナンスが健康維持のための必須項目です。それを防ぐのが世界最先端の治療法GBTなのです。むし歯について
40歳以前は歯周病年齢になっていませんが、むし歯にはなります。14歳まではむし歯が減ったので勘違いしてむし歯にならないと思っている人がいますが、高校生から急にむし歯は増え出します。だから、定期的なメンテナンスは重要です。3−6ヶ月毎の歯のメンテナンスがいるのです。それをしないと10年後に平均3.7本の歯が失われるのです。また、老人になると歯周病で歯茎が痩せて根面むし歯になります。当院では、歯科衛生士がオーダーメイドの歯ブラシ指導やフッ素塗布、むし歯の原因となるバイオフィルム除去をGBT法で行いむし歯にならないようにメンテナンスを行います。
全身疾患と口腔内細菌
およそ100年前に、アメリカでは全身疾患と口腔内細菌を研究した先駆者Price博士がいました。25年以上地道で科学的な研究した結果、リュウマチ、心臓病、肝臓病、腎臓病、皮膚病などさまざまな全身疾患がが口腔内細菌とそれらが出す毒素だけで起こることを見つけ出したのです。これらの事実は、当時は完全に解釈できなかったのですが、細菌のバイオ工学によって徐々に証明されてくるに従って、ようやく日本でも日の目を見るようになりました。Price博士は、同時に、映画の中のインディー・ジョーンズ博士のように世界中を回って、近現代食がむし歯と歯周病の根源的な原因であることをつきとめて本に書いて表し、現在でもその英語版はアマゾンの電子ブックとして485頁の本が¥237という超破格値で読むことができます。 フランス語版も日本語版もでています。「Nutrition and Physical Degeneration: A Comparison of Primitive and Modern Diets and Their Effects (English Edition)」
アメリカの健康指向の強い人たちの間で口腔メンテナンスが盛んなのは、この本の影響が大きいのです。はなしにならない話
むし歯治療で悩むのは、歯科先進国では時代遅れになりつつあります。歯周病もしかりです。日本ではこれまで効果的な歯科行政が行われずにきました。また、歯科に対する国民意識もかなり低いです。コロナ禍で口腔内環境も以前より悪化しています。歯なしにならないためには、歯科医院のルコールはがきに頼ることなく自分の意思で3カ月毎の歯科定期メンテナンスをうける意識が重要なのです。途中で勝手に治療を中止してしまった人、糖尿病や高血圧、歯が痛いけれど何となく我慢をしている人は、歯医者さんに行きましょう。
特に途中で治療をやめてはいけません。削ったうえでの治療ですので、歯はエナメル質のコーティングがないとすぐに駄目になり、かえって症状が悪くなる事があります。
治療後の歯を守る為にはメンテナンスが重要です。せっかく直したのですから、それを長持ちさせるためには、患者様にはメンテナンスを大事にしていただきたいと思っています。