箕面市の歯医者|徳岡デンタルクリニック

外院バス停前にある歯科医院元気になる入れ歯を作ります。訪問診療致します。口腔外科、小児歯科、マウスピース矯正、インプラント、歯周病治療、歯科検診、予防歯科

徳岡デンタルクリニックからのお知らせ

永遠の故郷:吉田秀和

 昨年5月になくなられた音楽評論家の吉田秀和氏はNHK-FM放送で「名曲の楽しみ」というクラシック音楽のDJを長きにわたり担当されていました。その氏が最後に出版された本のタイトルが「永遠の故郷」です。この本は4部作で、「」「薄明」「真昼」「夕映」から構成されています。

 4つのタイトルは、人の一生を現しており、人は元々永遠の故郷に住んでいたが、夜にこの世に生まれてきて、最後は夕映えの中に悟りを開き、またもとの永遠の故郷に帰って逝く。これはロマン主義です。

 歯のメンテナンスも同じで、生まれてくれば母親にガーゼで拭いてもらう。歯が生えてきてしばらくすると自分で歯も磨くが、やはり母親にチェックして磨いてもらう。歯がすべて大人の歯になると自分の力で磨きだし、老人になると夕映えの中で歯磨きの意義をも悟り、また永遠の故郷に帰っていく。それがロマン主義。その、手助けをするのが歯科というわけです。

 

    歯のメンテナンスは一生つづけていくもの。

    メンテナンスができてこそ、一人前の人となる。

    その手助けをするのが、家族と歯医者。

    もし失敗すれば、虫歯と歯周病になる。

 

歯科というのは、病気の時に見てもらうだけのものではないのです。

歯ブラシ指導を通じて、ブラッシング法という教養を身につけてもらうのが歯科です。小説ではありませんがBildungsroman(ビルドゥングスロマーン)といえるのではないでしょうか。

 
2013年10月25日 16:38

親ばか子ばか

 この世の人、親ばかといって自分の子供は賢くおもえるものですが、反対に親がえらいと思っている子ばかの話を一席。

 ストレスという言葉、今はみんな知っている言葉ですが、セリエ先生がストレス理論というのをを提唱したときは、言葉としてもまだなじみのない分野の学問でした。院長の父は、眼科医をしており、阪大の恩師の指示でストレスの研究を始めました。ウサギにアドレナリンを注射してストレスを与え続けどう変化するかという実験です。注射し続けてから数ヶ月後に"中心性網膜炎"が起こってきました。当時、中心性網膜炎の原因については細菌説、ウイルス説などの諸説が有りましたが、この実験によりストレスで起こることが証明されたのです。その、実験を続けていくと、あるとき、血管のなかにガスが噴き出してくるのを見つけました。それを調べたくても研究予算がない。噴き出してくるガスに関しては二酸化炭素CO2かアンモニアNH4だろうと推測しただけで、その解析は泣く泣くあきらめざるをえなかったそうです。当時、学生運動で大学は機能麻痺し、研究どころでは無くなり、1967年に、父は大学をやめました。よほど、そのことが気になっていたのでしょう、野球選手の張本が巨人軍に移籍し、中心性網膜炎にかかったというニュースが流れたとき、 その話をしてくれました。

 1998年になって、ノーベル生理学・医学賞の発表を聞いてびっくりしました。なんと、一酸化窒素NOと一酸化炭素COとが気体の神経伝達物質である事を突き止めたことが受賞対象だったのです。しかもNOやCOは、血管内皮細胞に多く存在するとされていたので血管からガスとして発生してもおかしくありません。父がストレスを与え続けてウサギの眼底の血管内に認めたガスがCOやNOであるかどうかはまだ、誰も証明していないでしょうがその可能性は限りなく高いのです。さらに追求すれば他の発見がある可能性もあります。

 その対象となった、フェリド・ムラド、ロバート・ファーチゴット、ルイ・イグナロの研究は1980年以降であり、父の発見の10年以上も後からの研究です。 父が、充分な研究費をもらい、ウサギの眼底の血管中に発生するガスを追求できたなら、そのガスがCOとNOであると分析できていた可能性は充分にあったわけで残念なことです。父が研究をしていた大阪市大は学生運動が過激だった大学として有名であり、父が、病院にまで押しかけて暴力をふるう非常識な学生の対処に追われていたことはつくづく不幸なことであったのです。

 院長が歯科医になったとき、顎関節症の研究が花盛りでした。顎関節症はストレスで起こるともいわれてました。もし、それならアドレナリン、ノルアドレナリンを注射すれば動物に顎関節症を起こせるはずです。動物の顎関節症を見たことがありませんので、そういった研究はしなかったのですが、褐色細胞腫(Pheochromocytoma)という病気ではアドレナリン、ノルアドレナリンが過剰に産生されます。その病気と顎関節症に関して文献的に調べられば何か出てくるかなとおもって、少しだけ調べてみましたが顎関節症は出てきませんでした。顎関節症がストレスで直接的に起こるということに疑問を持った次第です。顎関節症は、どちらかというと、物理的、形態機能的に起こるのではと思っています。

 
2013年10月17日 16:33

ノーベル賞の季節

 今年もノーベル賞の季節がやってきました。院長は1995年3月から5月の3ヶ月の間、ノーベル賞を授与する事で有名なカロリンスカ大学に阪大からの客員研究員として滞在しました。ヴェランダー教授には、大変お世話になり、スウェーデンのことをいろいろと教えていただきました。ヴェランダー教授は多趣味で、古代エジプトのヒエログリフ、また、古代ゲルマンのルーン文字も読むことができるという特技を持ちます。そのヴェランダー先生の誇りはやはりアルフレッド・ノーベル、そしてカール・フォン・リンネだそうです。リンネは博物学者であり、分類学を確立しました。ロマン主義の文豪ゲーテも植物哲学をはじめとするリンネの本をよみ、後にゲーテの植物変形論(Metamorphose der Pflanzen)としてその研究を結実させました。

 アルフレッド・ノーベルの話に戻りますと、ノーベルはダイナマイトの発明で巨万の富を得ました。質素な平屋に住み、生涯を独身で過ごしたノーベルですが、世話になった女中さんに退職金代わりの希望を聞いたところ、控えめに、ノーベルの1日分の収入をくださいと言いました。ノーベルはその通りにしました。女中さんが思っていたこととは裏腹に、大金持ちになったのは言うまでもありません。

 アルフレッド・ノーベルと直接関係はありませんが、当院では、スウェーデンおたくの院長がノーベル・バイオケア社のインプラントを使っております。今の方式のインプラントの発明者であるブローネマルク氏と関係するインプラント会社の元祖です。

 

投稿者 徳岡デンタルクリニック | 記事URL

2013年10月10日 木曜日

フランス国立クリュニー中世美術館所蔵  貴婦人と一角獣展 

2013年10月20日(日)まで、

中之島の国立国際美術館で「貴婦人と一角獣」展が開かれています。

 貴婦人と一角獣の6面の巨大なタペストリーはフランスの至宝であり、フランス国外に持ち出されることは今回で2回目です。カルメンを書いた19世紀の作家プロスメル・メリメやロマン主義作家ジョルジュ・サンドがこの作品について触れたことで有名になりました。

 それぞれ「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」という5感に関係している5作品と「我が唯一の望み」と書かれた1作品です。「我が唯一の望み」については"愛""知性""結婚"など諸説があるそうです。

 歯科というのは食を支える仕事ですので「味覚」については直接関係します。ペンフィールドの脳地図というのが有り、運動神経と感覚神経の脳における分布を表しています。その中で、舌・歯・口唇といった歯科に関係する部分がかなりの割合を占めているのがわかります。人間食べることには執着がありますものね。脳を活性化するのに口の中を健康に保つことが大切なのです。

 「我が唯一の望み」を心のこととすると、唯一ではないにしても、"我が望み"は美味しものを食べることではないでしょうか。心を満たし脳を活性化するのに口の中の健康は重要です。

 

参考 ペンフィールドの脳地図

 

(2)脳の中の地図 - 日本学術会議_おもしろ情報館

2013年10月11日 16:29

バイオフィルムについて

箕面市の歯医者徳岡デンタルクリニックから歯科治療をお考えの方へバイオフィルムについてご説明させていただきます。

 

台所の流しの表面や配管の内側に付着するぬるぬるした薄い膜は「バイオフィルム(生物膜)」と呼ばれる。歯に付着する歯垢もバイオフィルムです。

 

バイオフィルムは細菌たちが分泌する多糖類という糊と細菌たちのかたまりであり、糊によって細菌たちが歯や歯周ポケットに付着します。

 

最近、バイオフィルムを形成するときに、細菌たちが化学物質を出してコミュニケーションをはかる必要がある事が分かってきました。この細菌達のコミュニケーションを阻害するのにマクロライド系の抗菌剤が注目されています。

 

エリスロマイシン、ジスロマックなどの薬である。これらの薬は、抗菌剤としてのみならず、バイオフィルム形成を阻害する効果を期待して副鼻腔炎や上気道感染症の治療に併用される事もあります。

 

口腔内にバイオフィルムがたくさん形成されていると、上気道感染症を起こしやすくなることは用意に想像がつきます。

 

バイオフィルムを減らすには、歯磨き等で物理的に除去するのが一番良いです。口腔内の健康が全身の健康の基本である事を認識してほしいと思います。

 
2013年09月20日 16:24

箕面市の歯医者徳岡デンタルクリニックの虫歯治療について

箕面市の歯医者徳岡デンタルクリニックから虫歯治療をお考えの方へ情報発信させていただきます。

 

虫歯がミュータンス菌に代表される虫歯菌によって起る感染症であることは広く知られています。そして、虫歯は削って詰めたり被せたりしないと治らないと信じられてきました。最近の研究から、虫歯になっても初期の段階では、再石灰化作用を上手く働かせれば虫歯が治ること判ってきています。

 

食事や100%天然ジュース、スポーツドリンク等をのんだ後のpH5.5以下の酸性環境下では歯のカルシウムが溶け出します(脱灰)。その後、唾液の緩衝作用で歯の回りの環境が中性に戻ると唾液中のカルシウムが歯質に吸収されて脱灰された部位の修復が始まります(再石灰化)。この、脱灰と再石灰化のバランスが崩れて歯が脱灰されてしまうと虫歯になります。

 

バイオフィルムに守られて歯に付着する虫歯菌が出す酸により脱灰が起り虫歯になります。歯は一度脱灰されても初期の段階であれば、人間が虫歯菌以上に努力して再石灰化に勤めれば虫歯を治せる可能性が有ります。要は虫歯菌をやっつけた後、唾液を歯の隅々にまで長時間行き渡らせれば良いのです。また、それを手助けする為に、フッ素が歯質のカルシウムの取り込みを促進し、リカルデントのようなカルシウム化合物が唾液中のカルシウム量を増やします。当然のことながら、フッ素入り歯磨きを使ったり、フッ素洗口を行い、リカルデント入りのガムを噛んだり、MIペーストのようなリカルデント入りの製剤を使うことは虫歯予防の手助けになります。

 

不幸にして虫歯になってしまった場合、昔は「予防」の目的で歯を大きく削って金属を詰めるのが良いとされてきました。

今は小さく削ってセメントやレジンやセラミックを詰めるようになってきました。

 

当院では、 ダイアグノデントという歯質の変化を測定する機器で検査して、ピンポイントで虫歯を削り、消毒してから詰める治療を行っています。大きな虫歯は「歯の神経」(歯髄)を取る根管治療が必要ですが、当院ではできる限り歯髄を取らずに詰めて終わるよう努めています。

 

虫歯にならないためには予防が大切です。「昔はプラーク今バイオフィルム」と呼ばれている虫歯菌の塊を歯ブラシで機械的に除去することが大切です。再石灰化を促進する為には、唾液を口の隅々まで行き渡らせることが重要で、歯に塗るフッ素とリカルデントで唾液のカルシウム量を増やすことは再石灰化に有効であるというデータがでています。

 
2013年09月06日 14:31